2010年7月22日木曜日

飲んでもらえることで

おいしいお茶をつくることでいろんなことをやってるけど、飲んでもらえることで自己満足だけで終わらないお茶になる。

飲んでもらえるお茶とはどういうものか。
東京で飲んでもらえるお茶、京都で飲んでもらえるお茶、ハワイで飲んでもらえるお茶、サンフランシスコで飲んでもらえるお茶、どれも違うと思う。
一回だけ試して飲んでみるのは興味で、習慣になって飲んでもらえるのはお茶の実力だとおもう。食文化に合うお茶、スナックとかライフスタイルに合うお茶じゃないと、いくらにいいお茶でもお茶の本当のポテンシャルはだせないじゃないか。

高いお茶がいいお茶とはいいきらない。高くても場違いのお茶は、とても残念でかわいそうなお茶。動物園のトラみたいに野生のスピリットはみつからない。人間に飼われているトラはペットで、原野のインスティンクトはほとんど消えていった。Jack Londonの”Call of the wild”が思いでてくる。

安いお茶でも、文化のなかで溶け込むようなものは、自分の場所をみつけたお茶。高いお茶とは何?高いスナックや、料理に合うようにできているわけでもない。値段以外に何がある?

マラサダ(Malasada)とお茶
私もときどきホノカアの町に行ったときにTEX Drive-inでマラサダをかって食べたときに、マラサダと一緒に飲むものがあっていいと思う。コーヒーとドーナッツはCommon Senseだけど、マラサダはお茶で食べるのがいい。どこでもあるアイスティはハワイの食文化を無視しているようで残念です。マラサダはあの柔らかな油で揚げたパンの部分と砂糖がプレインでシンプル、お茶もできるだけパーソナリティのすくないプレインでシンプルなほうがいいと思う。花の香りも、紅茶の味もバランスが崩れる。ちょっとスモーキーなのもいいけど、やっぱりプレインなマラサダは、プレインのお茶で合わせるほうがいい。

何回も調整してできたのが今のSweet Roast Green Tea。さっぱりのグリーンティのブレンドで、マラサダ以外でもCompatibleで誰とでも仲のいい感じ。

お茶をつくるサイドからの見る目は、飲む人見る目と違う。けど、その印象が伝わればうれしい。

2010年7月17日土曜日

春茶と夏茶

春のお茶は一般でうまみが多くて特級で、夏のお茶はうまみがすくなくて夏の味で下級に言われている。でも、本当はこの違いがそれぞれの個性があるじゃないのか?

おなじ製茶の仕方で春茶、夏(秋)茶、冬茶で全部作っていたら、その製茶のやりかたにあうのが一番いいのが当たり前。でもリーフの質から、その製茶の仕方を合わせる方法だと、それぞれのシーズンのお茶がユニークで、比べないでも個性で飲める。「世界にひとつの花ーーー」の歌があったけど、一番をくらべて決めなくても、それぞれがユニークなものの良さを出す製茶と、その良さを味あう飲み方をみつけるのがいいとおもう。

ハワイ青柳茶 - 伝統手炒りの釜炒り茶

ハワイ青柳茶は手炒りが基本。 リーフもオーガニックの無肥料。自然の香りが大事なお茶。これははわたしがずっとハワイのリーフで青柳茶の釜炒り製法をベースにして研究してきた手炒りの製茶で、青柳茶の製法がベースだから、「ハワイ青柳茶」で呼んでいる。一品作品みたいな手炒りのお茶で、1年に決まった量だけ限定で手炒りしている。お茶の香りを一番ひきだすお茶づくりです。

青柳茶とは、ずっと九州の山奥で昔作っていた手炒りのお茶。釜炒りの香ばしい緑茶で、香りが口に長く残る。平釜で高温で思い切って、火を入れるところが香ばしさを出す。

形はすっと伸びて、巻いている。中国緑茶の碧螺春に似ている。殺青とか、水乾の製法も手の動きも似たやり方がおおい。でも芽の摘み方とか、摘むタイミング、リーフの大きさで、ぜんぜん違う製法が必要で、茶の香りもすごく違うものになる。

京都にも青柳ていっているお茶があるけど、これは玉露の茎のところだったとおもう。これとはぜんぜん違うお茶です。


マウナケアティーのメインのお茶では青柳茶を作っているじゃないけど、いろんな釜炒りの青柳茶の製法だけじゃないで、嬉野製法もすこしはいっていて、竜井も、碧螺春とかいろいろ少しずつはいっているハイブリッドの製法けど、大事なのは「ハワイのマウナケアで育っているリーフの良さをどうやって最大限にひきだすか。」 そこからどんな製茶の仕方をするか選ぶのがいい。マウナケアティーのフィロソフィーはお茶の本来の香りを大事にすること。機械でも手炒りでも香りをきれいに引き出すお茶作りです。

日本茶を作ることが目的じゃないから、最後の目的はハワイのリーフと自然環境に合う製法がいるので、青柳茶製法だけでこだわらないけど、香りを飲む緑茶はやっぱり蒸しより釜炒りで、味の強い品種より、自然の香りが強い品種のほうがいい。

ハイブリッドの製法で少し機械を使うと、やっぱり手炒りみたいにパーソナリティはでにくいけど、きれいに仕上がる。手炒りは手炒りのよさもあるけど、機械も手でできないことができるよさがある。だからハイブリッドの製法でリーフのよさを一番だせる方法があると思う。

青柳茶は昔の消えた伝統じゃなくて、そのベースになっているフィロソフィーが今も生きている。

ひつじで茶園の雑草管理

今年茶園にひつじを放し飼いにしました。雑草、特に牧草が多くて、それをひつじに食べさせるという考えです。 羊の餌代と除草の人件費を合わせて軽減できるということで、10年くらい前に実験的にやりましたが、アメリカの有機栽培(USDAオーガニック)では放し飼いはできないということで諦めて...